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報告に「一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について」の副題が明記されたことは画期的なことです。「特殊教育」から「特別なニーズ教育」へ「転換した」とは言えないまでも、「接近した」ことは事実でしょう。副題を具体化する上で残された検討課題はあるものの、転換への第一歩を踏み出した点は適切に評価すべきでしょう。
課題は何でしょう。最終報告は「特殊教育」と「特別支援教育」を併用しています。異なる概念を併用した為に矛盾が見られます。すなわち、文部科学省において「特殊教育課」を「特別支援教育課」に改組したとは言え、最終報告では従来の盲・聾・養護学校及び特殊学級での教育を「特殊教育」、通常学級に在籍する者への特別な支援を「特別支援教育」と呼び分けている節があります。
また、仮に全体を「特別支援教育」と呼称しても、従前の「特殊教育」の延長にLD児等への通級指導や巡回指導を付加したものを言うのでしょうか。そこに留まると、一歩前進とは言え「特別支援教育」という呼び分けや対象の拡張はあっても、「障害の種類・程度に応じた特殊な場での対応」から「ニーズに応じた教育」への原理的転換はないことになります。副題を実質化して、原理的転換へと推し進めていくことが21世紀の課題です。
なお、原理的転換の視点に立てば、「障害」を前提とした「特別支援教育」に留めず、学習困難、いじめ・不登校、外国人子弟などの「特別な教育的ニーズ」を有する子ども・青年へのケアも含んだ「特別なニーズ教育」として展望することが肝要でしょう(例えば、1993年改正の義務標準法は、「特別の指導」という概念を導入し、通級指導教室・適応指導教室・日本語教室での指導を一体的に位置づけています)。SNE学会の基本方向も後者にあると考えます。
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